2015年2月14日土曜日

山本貴志 ピアノリサイタル ~ オール ショパン プログラム ~


※例によってシロウトが感じたままを書き散らしておりますので、音楽に詳しい方、貴志くんの大ファンの方はお読みにならないよう、お願い申し上げます。



久し振りに、銀座へ行ってまいりました。
山本貴志くんのピアノリサイタルです!
前回も同じヤマハビルでしたが、もう3年近く前のことになるなんて、ビックリ。
そして今回は、私の敬愛する友・すみれさんと一緒に貴志を鑑賞ということで、舞い上がり気味w

リサイタル前に軽く腹ごしらえを…と選んだお店が年季の入ったビルにある小さな、なんとなく妖しげな(笑)イタリアンで、あれだけ「ピアノリサイタル前にアルコールはご法度!」と自分に言い聞かせ、今まで厳格にそれを守って来たにもかかわらず、やっぱり舞い上がってたんですね。悪魔の囁きに負けてしまいました!
自家製ゆずチェッロのソーダ割りを飲んじゃった。でもすごい美味しかった~

そんなわけで、ほろ酔い(ってほど飲んでませんが)気分でリサイタルを聴くのは初めて!
それはそれで、どんなふうに楽しめるだろうと思っていたのですが、やっぱり、ちょっと眠くなりますね…(涙)
いつもよりリラックスして、あんまりいろんなことを考えずに聴けたのはよかったかなぁ。

さて

今回はオールショパンプログラムということで、今、ワルシャワ在住の貴志くんがどんなショパンを聴かせてくれるのかとワクワク!
曲目は、

ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2

マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5

4つのマズルカ Op.17
(第10番 変ロ長調 第11番 ホ短調 第12番 変イ長調 第13番 イ短調)

バラード 第1番 ト短調 Op.23


― 休憩 ―


子守歌 変ニ長調 Op.57

ワルツ 第5番 変イ長調 Op.42

舟歌 嬰ヘ長調 Op.60

ポロネーズ 第7番 変イ長調「幻想ポロネーズ」 Op.61

アンコール…24の前奏曲「雨だれ」 Op.28-15




貴志くんが「楽しみに組み立てたソロのプログラム!今感じたままをお伝えしたいと思っています」とブログ(なのかな?)でおっしゃっていたとおりの、今、彼が感じているであろう、生きているであろう、人生をこちらに伝えてくれるような、演奏でした。

ピアノの演奏って、絵画と同じで、その人がそのまま出ると思うんです。
そしてそれがダイレクトに伝わってくるし、飾り様がない、隠し様がないから、ある意味、小説より、絵画より、演奏者自身をさらけ出してるように感じられるし、そうじゃない演奏はつまらない。

そういう意味で、貴志くんは音の根っこがふたつあって、ひとつは本当に誠実というか、真摯に向き合っているし、もうひとつは決壊したダムみたいな止まらない感情というか、念のような…

それが一番感じられたのは、前半最後のバラード第1番でした(私の中では)。
本当に素晴らしかった。
そこで前半の力を思いっきり出し切ったのかどうか、休憩をはさんだ1曲目の子守歌は、いかにもタイトルそのままのような、貴志くんの優しさみたいなものがあって…いえ、寝てません。ちゃんと聴きましたよっ(笑)
しかしこの曲、左手の伴奏がずーっと一緒で、それが子守歌のようでもあるし、小さな赤ちゃんと日々向き合う子育ての果てしなさ感(そんな言葉ないけど)を出してるようでもある…とか思ってしまいました(苦笑)
仲良しの女性が子どもを連れて遊びに来た出来事が「ショパンの創作動機になったのではと推測されている」そうなのですが、きっとショパンは「子どもの相手ってけっこう大変だなー」と思ったはず!(笑)

前後しますが、マズルカ風ロンドや4つのマズルカは、ショパンの、ポーランドへの想いが伝わってくるような演奏でした。

そして、私が大好きなワルツの5番、舟歌と続いてもう大満足です。
舟歌は…私は貴志くんの舟歌以外もう聴かなくていい、というくらい彼のCDに入っている演奏が好きなのですが、もうあのCDもずいぶん前にリリースされたものですから、今の貴志くんは、そのときからさらに進化して弾いていた気がしました。
本当に、本当に美しい曲ですが、ただそれだけではなくて、ショパンが亡くなる3年前に書かれた曲なので、ジョルジュ・サンドともうまくいかなくなってたし、身体はどんどん弱っていくし…みたいな、そういうのも背景にあるのですけど、それも含めた表現の演奏だったかも。流れていく人生は止められないし、もがいても、苦しんでも、悩んでも、それでも生きていかなくちゃいけないし。




今回は座った席が2階の一番前で、とても良い音だったのだけど、ピアノのちいさな息遣いが音の広がりに消されてしまっていたような気がして、それがちょっと残念でした。
今度は1階席で聴いてみたいなぁ。

久し振りにすみれさんとお会いできて、うれしかった~(≧▽≦)
また、ぜひ、ご一緒させてくださいね!







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